「倒産関連法制の機能の検証と企業の資金調達行動への影響」研究会 @金融庁:金融研究研修センター H15/11/10
テーマ 「倒産関連法制の現状と現実の運用実態」 レジュメ抜粋
1 民事再生 | ||
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(まずは再建型を検討) | @ | 営業利益段階で黒字になるか(リストラにより黒字になるか、退職金の支払可能性) |
A | 当面の運転資金があるか(数ヶ月間の現金仕入金、人件費、金融機関によらない受取手形割引) | |
B | 得意先・仕入先との取引継続可能性(経営者の人柄、代替不可能性) | |
C | 手続費用(弁護士費用・予納金500万円分割払) | |
D | 民事再生を行う意義があるか(@事業の社会的意義、A従業員の保護、B取引先の混乱、C経営者の保護) | |
E | 経営者の合理的な熱意・能力・覚悟の有無 | |
→原則として申立 | ||
F | 再建計画の立案可能性 | |
・留保利益額−優先債権額=配当額(率)→これが破産配当率を上回るか。・営業譲渡、会社分割の可能性 | ||
G | 経理体制(公認会計士・税理士)、粉飾の修正(在庫・貸付金) | |
H | 弁済案に対する債権者の同意可能性(大口債権者=金融機関) | |
I | 別除権者との和解可能性 | |
2 会社更生の場合 | ||
@ | 担保権も手続中に取込み | |
A | 経営者の交替(更生管財人) | |
B | スピード(民事再生は半年、会社更生は1年以上→貯金期間) | |
C | 裁判所による後見 | |
3 特別清算 | ||
(再建型がダメなときは清算型) | # | メリット |
協定による解決 | ||
# | デメリット(必要条件) | |
@ | 前提としてて解散決議が必要→株主の同意 | |
A | 出席債権者の過半数、議決権数の3/4 | |
B | 否認権等無し→偏頗弁済等がないこと | |
C | 営業譲渡は商法の手続(cf.破産の場合は裁判所の許可) | |
4 破産 | ||
# | 東京地裁民事20部の運用(申立段階) | |
@ | 代理人のみによる即日面接 | |
A | 定型申立書面 | |
# | 東京地裁民事20部の少額管財手続(管財手続段階) | |
@ | 包括許可 | |
A | 報告、申請書面の簡素化 | |
B | 債権認否の簡素化 | |
C | 簡易配当 | |
# | 管財業務あれこれ | |
@ | 調査と管理(嘘をつく破産者) | |
A | 不動産の任意売却 | |
B | 売掛金の回収 | |
C | 国際倒産 | |
D | 配当 | |
# | 個人破産(同時廃止事件) | |
@ | 東京地裁民事20部の免責審尋手続 | |
A | 破産できない債務者(免責不許可事由) |